フィナステリド使うべき?

 

ひぽぽ
遅くなりましたが、あけましておめでとうございます。ひぽぽです。
今年もよろしくお願いします。

 

今年は主に「新しく使い始めたデュタステリドでどのくらい髪が回復するか?」についてお伝えしていこうと思いますので、また記事を読んでやってください。

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それでは、あいさつはこのくらいにして、今回の話題に行きましょう。

 

私は、20代や30代くらいで薄毛の目立つ男性を見かける度に思うことがあります。

それは、

フィナステリド使ってない人、結構いるんじゃないの?

ということです。

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フィナステリドを使えば薄毛の進行を食い止められ、ある程度髪も回復します。

それなのに薄毛の目立つ男性をよく見かけるのは、フィナステリドが意外と使われていないからじゃないかと思うのです。

 

え、フィナステリド使ってないの?

 

たぶん、多くの人が副作用を気にして、使うか使わないかで迷ってるんじゃないでしょうか。

『フィナステリド』に関連したキーワードのgoogleでの検索数を調べてみると、『フィナステリド 副作用』というキーワードが上位1、2番辺りに来ています(2017年1月時点)。

このことからも、いかに多くの人が副作用を気にしているのかが分かります。

また新たに、ポストフィナステリド症候群という気がかりな問題も浮上してきています。

 

というわけで、今回はフィナステリドの使用を迷っている人に向けて、判断の手助けになるような副作用・ポストフィナステリド症候群に関する情報をお伝えしようと思います。

 

 

フィナステリド使用最大の不安要素:副作用

まずはフィナステリドの副作用について確認しておきましょう。

フィナステリド配合育毛剤『プロペシア』の国内臨床試験で確認された副作用には、次のようなものがあります。※1

<性機能障害>

  • 性欲の減退
  • 勃起機能不全
  • 射精障害
  • 精液量減少

<消化管に関する副作用>

  • 下痢
  • 胃の不快感
  • 腸内ガス

<その他の副作用>

  • 高脂血症
  • 熱感・総コレステロールの増加
  • 肝機能障害

 

海外では、アレルギー・睾丸痛・精液の質低下・乳房痛や乳房肥大・抑うつ症状・めまいという副作用も確認されています。

また、まだ確かなことは分かっていませんが、フィナステリドと男性乳がん・前立腺がんとの関連性も指摘されています。

 

でも、これらの副作用の頻度は高くありません。

最も現れやすい副作用は性機能障害ですが、国内臨床試験における頻度は3%未満です(副作用全体の頻度は5%程度)。※1

 

※1 出典:プロペシアインタビューフォーム

 

副作用についての新たな問題:ポストフィナステリド症候群

また、2010年あたりから副作用の問題において注目されるようになったのが、ポストフィナステリド症候群です。

ポストフィナステリド症候群とは、フィナステリドの使用をやめた後に副作用が長期間続くことです。

 

長年、フィナステリドの副作用は使用をやめれば治まると考えられてきました。

ところが、使用中止後も副作用が続いたり、使用中止後に新たに副作用が表れたりするケースが明らかになってきたのです。

 

それに伴い、フィナステリド配合育毛剤『プロペシア』の添付文書にも、薬の使用中止後に性機能障害が続く可能性があることが書かれるようになりました。

また、ポストフィナステリド症候群の研究を推進することや、ポストフィナステリド症候群について世間に広く知ってもらうことを目的としたポストフィナステリド症候群財団も設立されています。

 

ポストフィナステリド症候群の研究

 

では、ポストフィナステリド症候群に関する研究を一つ見てみましょう。

 

Ganzerらは、過去にフィナステリドを使用し、使用中止後も3ヵ月以上副作用が続いている131名の被験者(主に1mg服用)について、どのような副作用が見られるかを調査しています。※2

高い頻度で見られた副作用は次のようなものでした。

<身体的な副作用>

  • 乳房肥大 (70%)

<性機能障害>

  • 性欲の減退 (93%)
  • 勃起障害 (83%)
  • 朝の勃起の消失 (89%)
  • 性的快感の消失 (70%)
  • 精液量の減少 (82%)
  • 陰茎の縮小 (79%)

<認知障害>

  • 思考の鈍化 (74%)
  • 意識混濁 (75%)
  • 注意困難 (74%)

<精神障害>

  • 不安の増加 (74%)
  • 落ち込み (73%)
  • 喜びや満足感の消失 (73%)

( )内の数字は発生率

 

このように、多くの深刻な副作用が起こっています。

また、これと同じような結果を示す研究が他にもいくつかあります。※3,4,5

 

これらの研究結果から、おおよそ次のようなことが言えます。

  • フィナステリド使用中止後も副作用が続いている人の内、90%程度の人で何らかの性機能障害が見られる。
  • フィナステリド使用中止後も副作用が続いている人の内、75%程度の人で何らかの認知・精神障害が見られる。

 

ただし、どの研究も被験者の数が多くないので正確な数値ではないかもしれません。

 

とにかく、ポストフィナステリド症候群の研究が本格化してからまだ日が浅く、

症状の続く期間・原因・治療法についてもよく分かっていないのが現状です。

 

※2 Ganzer CA, Jacobs AR, Iqbal F. Persistent sexual, emotional, and cognitive impairment post-finasteride: a survey of men reporting symptoms. Am J Mens Health. 2015 May;9(3):222-8.

※3 Irwig MS, Kolukula S. Persistent sexual side effects of finasteride for male pattern hair loss. J Sex Med. 2011 Jun;8(6):1747-53.

※4 Irwig MS. Depressive symptoms and suicidal thoughts among former users of finasteride with persistent sexual side effects. J Clin Psychiatry. 2012 Sep;73(9):1220-3.

※5 Chiriacò G, Cauci S, Mazzon G, Trombetta C. An observational retrospective evaluation of 79 young men with long-term adverse effects after use of finasteride against androgenetic alopecia. Andrology. 2016 Mar;4(2):245-50.

 

ポストフィナステリド症候群の謎:フィナステリドとうつ病の症状の関係

先ほどのポストフィナステリド症候群の症状を見てみると、高い頻度で認知障害や精神障害が起こっていることが分かります。

これらの症状は、うつ病に見られるものとちょうど同じです。

なぜ、ポストフィナステリド症候群ではうつ病と同じ症状が見られるのでしょう?

 

これにはフィナステリドが阻害している5α-リダクターゼという酵素の働きが関係しています。

 

5α-リダクターゼのよく知られている働きは、テストステロンから男性型脱毛症(AGA)の原因物質であるジヒドロテストステロン(DHT)への変化を引き起こすことです。

そして、フィナステリドは5α-リダクターゼの働きを邪魔してDHTの生成を抑え、AGAを防ぎます。

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また、5α-リダクターゼはアロプレグナノロン(ALLO)や5α-テトラヒドロデオキシコルチコステロンというニューロステロイド(簡単に言うと脳で作られるホルモンのこと)の生合成にも関係しています。

これらの物質は、抗不安・抗けいれん・鎮静などの作用を示し、気分の安定に重要な役割を果たしていると考えられています。

ALLOについての研究が比較的進んでいるので、ALLOについて詳しく見てみましょう。

 

うつ病とALLO

Uzunovaらは、単極性うつ病(一般的なうつ病)患者の脳せき髄液内のALLO濃度を調査しました。※6

その結果、次のようなことが分かりました。

  • 単極性うつ病患者の脳せき髄液内のALLO濃度は、正常者の40%程度まで下がっている。
  • 抗うつ薬の成分フルオキセチンを投与した場合、脳せき髄液内のALLO濃度の変化量とうつ症状の改善度に相関関係が見られる。

 

これらの実験結果は、脳内ALLO濃度の低下がうつ病の症状と密接に関連していることを示しています。

 

※6 Uzunova V, Sheline Y, Davis JM, Rasmusson A, Uzunov DP, Costa E, Guidotti A. Increase in the cerebrospinal fluid content of neurosteroids in patients with unipolar major depression who are receiving fluoxetine or fluvoxamine. Proc Natl Acad Sci USA. 1998 Mar 17;95(6):3239-44.

 

ポストフィナステリド症候群とALLO

ALLOの生合成経路とフィナステリドの働きを図にまとめてみます。

ポストフィナステリド症候群とALLO 

 

このように、いくつかのステップを経てコレステロールがALLOへと変化します。

そして、フィナステリドはプロゲステロンから5α-ジヒドロプロゲステロンへの変化を引き起こす5α-リダクターゼの働きを邪魔しています。

つまり、フィナステリドはALLOの生成を抑える働きをしているわけです。

 

先ほどのALLO濃度の低下とうつ病の症状の関係を合わせて考えると、

ポストフィナステリド症候群にうつ病と同じ症状が見られる理由の一つは、フィナステリドの影響で脳内ALLO濃度が下がっているためだと言えそうです。

 

実際、Melcangiらはポストフィナステリド症候群の患者において脳せき髄液内のニューロステロイドの濃度を調べ※7、ALLOの前段階のジヒドロプロゲステロンの濃度が低下していることを明らかにしています。

ですが、フィナステリドで阻害されている箇所より上流のプロゲステロンや、さらに上流のプレグネノロンの濃度も低下しており、フィナステリドはニューロステロイドの生合成に広く影響を与えているようです。

 

※7 Melcangi RC, Santi D, Spezzano R, Grimoldi M, Tabacchi T, Fusco ML, Diviccaro S, Giatti S, Carrà G, Caruso D, Simoni M, Cavaletti G. Neuroactive steroid levels and psychiatric and andrological features in post-finasteride patients. J Steroid Biochem Mol Biol. 2017 Jul;171:229-235.

 

フィナステリドを使うべきか、使わざるべきか

さて、フィナステリド使用中の副作用とポストフィナステリド症候群について見てきましたが、「フィナステリドを使った方がいいのか、使わない方がいいのか」迷いますよねー。

 

私個人としては、フィナステリドを使った方がいいと思います。

 

なぜか? 理由は二つです。

  1. フィナステリドほど抜け毛を止める効果の高い成分が今のところ他にない。
  2. フィナステリド使用中の副作用やポストフィナステリド症候群の発生率は高くない。

(※ デュタステリドはフィナステリドより効果が高いですが、フィナステリドと同種の成分なのでここでは除いて考えています。デュタステリドの詳細はこちら⇒ザガーロ?デュタステリド?なにそれ、おいしいの?

 

フィナステリド使おうかな

 

フィナステリドほど抜け毛を止める効果の高い成分が今のところない。

まず一つ目の理由について説明しましょう。

 

現在、男性型脱毛症の治療に用いられている主な成分はフィナステリドとミノキシジルです。

「フィナステリドで抜け毛を止め、ミノキシジルで毛を生やす」という方法が最も効果の高い方法として、これまでずっと用いられてきました。

【私のミノキシジル使用体験記⇒カテゴリー〈ミノキシジルタブレット〉

 

日本皮膚学会の発行する『男性型脱毛症診療ガイドライン』では育毛成分のランク付けがされていますが、最高のAランク(行うよう強く勧められる)が付いているのはフィナステリドとミノキシジルだけです。

 

実際、ネット上にはフィナステリドの高い効果についての報告がたくさんあります。

私自身もフィナステリドで抜け毛が止まり、薄毛が改善しました。

【私のフィナステリド使用体験記⇒AGA克服体験記

 

フィナステリド使用中の副作用やポストフィナステリド症候群の発生率は高くない。

次に二つ目の理由についてです。

 

ポストフィナステリド症候群になるパターンを整理した下の図を見てください。

 

ポストフィナステリド症候群

 

気になるのは、図中の赤矢印で示した

『フィナステリド使用中に副作用が表れなかった人の内、何%の人で使用中止後に副作用が表れるのか?』

『フィナステリド使用中に副作用が表れた人の内、何%の人で使用中止後も副作用が表れるのか?』

という点です。

 

これらについては、今のところ詳しく調べられていないようです。

 

でも、前者の点については、フィナステリドの使用を中止しなければ済むことなので、考えなくてもいいと思います。

もともとフィナステリドは、髪を維持するためには使い続けなければいけないものです(フィナステリドをやめると、再び薄毛が進行してしまいます)。

 

後者の点については、フィナステリド使用中に副作用が表れた人(5%)の中での話なので、割合は小さいです。

例えば、フィナステリド使用中に副作用が表れた人の80%で使用中止後も副作用が表れるとすると、5%の中の80%ですから、全体に対する割合は4%になります。

 

要するに、フィナステリド使用中の副作用の発生率は5%程度、ポストフィナステリド症候群の発生率はそれ以下ということです。

 

ハゲ VS. 副作用・ポストフィナステリド症候群 どっちが怖い?

さっきも書いたように、私はフィナステリドを使った方がいいと思います。

 

ただし、あくまで私個人の判断であり、これが正しいといわけではありません。

年齢、既婚か未婚か、これから子供を作る予定があるかなど、その人の置かれている状況によって判断は変わってきます。

 

悩ましい選択ですが、

「フィナステリド使用中の副作用やポストフィナステリド症候群の発症率は5%程度かそれ以下だが、その症状は深刻なものである。」ということを知ったうえで、

単純に

ハゲる怖さ > 副作用・ポストフィナステリド症候群の怖さ ⇒ フィナステリドを使う

ハゲる怖さ < 副作用・ポストフィナステリド症候群の怖さ ⇒ フィナステリドを使わない

というように、自分にとってどちらがより怖いかで判断すれば良いと思います。

 

「考えるんじゃない、感じるんだ!」(by ブルース・リー)

ですよ。

 

それでは、また。

 

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